2004年3月、桜の花が咲き初めた頃、満90歳でその生涯を閉じた、日本画家 新山晃司。

大正・昭和・平成と、激しく変化する時代の中に生き、その時その瞬間に、「写生」という行為により、日本の自然と正面から対峙し続けていた一人の画家。

綿密な写生から、クロッキーやメモ風な単純なもの、エスキース・下図にいたるまでの、晃司が遺した写生の全てを、掲載しています。

それらをご覧いただくことで、一人の画家が生涯をかけて求め続けたものは何だったのか、絵を描くとはどういうことなのか、写生することの意味は何なのか、など、自然に感じていただけるでしょう。

また、「描く」という行為の喜び、晃司の自然への眼差し、日本画の伝統的な自然の捉え方、時代に伴う自然の変貌など、感じ取っていただければ幸いです・・・。